注記追加案

05.3.7
T. M.

修正履歴:
・「追加検討要素1 太字の注記」で、注記形式[#「●●」太字][#「●●」は太字]に変更。(05.3.9)
・「追加検討要素7 文字の大きさに関する注記」を追加(06.5.22)

追加検討要素1 太字の注記

明朝体の本文の中で、文章の一部を強調する際はしばしば、太字のゴシック体が用いられます。

太字のゴシック体が、著者の表現上の意図にもとづいて用いられたと思われる場合は、[#「●●」は太字]と注記してください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。

小見出しがすべて、太字のゴシック体で処理されているといった、レイアウトに関わると思われるケースでは、注記はいりません。
記入例

…はっきりといった。
「クリス、宇宙航行委員会が選考[#「選考」は太字]するんだ。きみは志願できない。待つ[#「待つ」は太字]んだ」
「わかってるさ」



●太字の例。レイ・ブラッドベリ、大西尹明訳「ウは宇宙船のウ」創元推理文庫、東京創元社、1982(昭和57)年6月25日30版、23ページ
強調のために、明朝体の本文の中で太字の明朝体が用いられている場合。
ゴシック体の本文の中で太字のゴシック体が用いられている場合などにも、同様に[#「●●」太字]と注記してください 。



追加検討要素2 ブロックで地付き処理が行われている際の注記

地付き処理されているブロックの1行前に、[#ここから地付き]と書き込んでください。
改行してスペースを挟まず、地付き処理されているブロックを入れてください。
地付き処理されたブロックが終わったら、改行して[#ここで地付き終わり]と書き込んでください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例

…さう思ひながら、私はここにこの思ひ出、第十一の筆を擱く。
[#ここから地付き]
┌昭和十八年四月二十四日稿了┐
└  同  四月二十九日清書┘
[#ここで地付き終わり]



●ブロックで地付き処理が行われている際の注記例。「日本の名随筆 別巻96・大正」作品社、1999(平成11)年2月25日、86ページ、河上肇「随筆「断片」」
なお、記入例では、2行にわたる丸括弧を、罫線素片に置き換えてある。


追加検討要素3 ブロックで地からの字上げ処理が行われている際の注記

字上げ処理されているブロックの1行前に、[#ここから(地から)○字上げ]と書き込んでください。 ○には、ブロック全体が何字分字上げしてあるかを、全角のアラビア数字で書き込んでください。
改行してスペースを挟まず、字上げ処理されているブロックを入れてください。
字上げ処理されたブロックが終わったら、改行して[#ここで字上げ終わり]と書き込んでください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例

…推定十万ポンドに達している。
[#ここから(地から)1字上げ]
――一九七一年四月二十七日付
〈ザ・タイムズ〉
[#ここで字上げ終わり]



●ブロックで字上げ処理が行われている際の注記例。「ビートルズ ラヴ・ユーメイク〔下〕」ピーター・ブラウン、スティーヴン・ゲインズ、小林宏明訳、早川書房、1984(昭和59)年11月15日、228ページ
なお、記入例では、ルビ記号と重なる二重山括弧を、山括弧に置き換えてある。




追加検討要素4 一行だけ字下げ処理が行われている際の注記

字下げ処理されている文字列の前に、[#天から○字下げ]と書き込んでください。
○には、天から何字分あけてあるかを、全角のアラビア数字で書き込んでください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例:

…ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。

[#天から3字下げ]灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色

九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、…




●一行だけの字下げの例。九鬼周造「九鬼周造随筆集」岩波文庫、岩波書店、1991(平成3)年9月17日、192ページ

一行だけの字下げには、ブロックで字下げされているケースへの注記法を用いて、以下のように書くことも可能です。
…ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。

[#ここから3字下げ]
灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色
[#ここで字下げ終わり]

九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、…

推奨形式は、[#天から○字下げ]としますが、前後にブロックの字下げが続く中で、当該箇所のみが1行であるといった場合には、ブロックに対する注記を用いて、形式を揃えてもかまいません。





追加検討要素5 さまざまな書き方ができるケースでの選択

字下げ箇所の入力に際しては、「一行だけの注記」を組み合わせる、「ブロックの注記」を用いるといった方法に加えて、字下げ分の空白を入力し、注記なしですませるといった方法も選択肢として想定できます。

複数の書き方が想定できるケースでは、次の優先順位に従って、処理法を選んでください。
1 「注記する」処理法を優先し、「字下げ分の空白を入れる」方法は、原則として避ける。(1行が短くなる環境で読まれる場合を念頭においた方針です。)

2 注記法の選択に当たっては、組み体裁のイメージを伝えやすいことと、簡潔に表現できるものを優先する。
以下に例示したケースでは、最後の3行を次のようないくつかの方法で処理することが可能です。
記入例:

[#天から2字下げ]恋しき恋しき恋しき
[#天から4字下げ]武男様
[#天から7字下げ]御もとへ


[#ここから2字下げ]
恋しき恋しき恋しき
  武男様
     御もとへ
[#ここで字下げ終わり]




●さまざまな書き方ができるケースでの選択の例。徳富蘆花「小説 不如帰」岩波文庫、岩波書店、1999(平成11)年8月18日、60ページ
このケースでは、イメージを伝えやすく、簡潔に表現できる、後者を推奨します。

ただし、詩歌などで、1行の文字数が5字程度におさまるようなケースに限っては、注記を行わず、字下げ分の空白を入れて処理することを許容します。(文字数が十分短ければ、1行の表示文字数が短い環境下で読まれたても、問題が生じないだろうとの判断にもとづいた方針です。)




追加検討要素6 天地に空きを持たせたブロック(罫囲みされたパターンを含む)に対する注記

天地の双方に空きを持たせたブロックに対しては、原則として当該箇所の1行前に、[#ここから○字下げ、●字詰め]と書き込んでください。
○には、ブロック全体が何字分字下げしてあるかを、全角のアラビア数字で書き込んでください。
●には、ブロックの字詰めを書き込んでください。
字下げされたブロックが終わったら、改行して[#ここで字下げ終わり]と書き込んでください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例:

[#ここから6字下げ、28字詰め]
仕事を少しでも怠《なま》けたと見るときには大焼き[#「大焼き」に傍点]を入れる。
組をなして怠けたものにはカムサツカ[#「カムサツカ」に傍点]体操をさせる。
罰として賃銀棒引き、
函館へ帰ったら、警察に引き渡す。
いやしくも監督に対し、少しの反抗を示すときは銃殺[#「銃殺」に傍点]されるものと思うべし。
                     浅川監督
                     雑夫長
[#ここで字下げ終わり]



●天地の双方に空きを持たせたブロック、罫囲みの例。小林多喜二「蟹工船・党生活者」新潮文庫、新潮社、1996(平成8)年12月10日、90ページ

天地に空きを持たせたブロックを罫囲みしてあるケースでは、当該箇所の1行前に、[#ここから○字下げ、●字詰め、罫囲み]と書き込んでください。
字下げ、罫囲みされたブロックが終わったら、改行して[#ここで字下げ終わり]と書き込んでください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例:

[#ここから6字下げ、28字詰め、罫囲み]
仕事を少しでも怠《なま》けたと見るときには大焼き[#「大焼き」に傍点]を入れる。
組をなして怠けたものにはカムサツカ[#「カムサツカ」に傍点]体操をさせる。
罰として賃銀棒引き、
函館へ帰ったら、警察に引き渡す。
いやしくも監督に対し、少しの反抗を示すときは銃殺[#「銃殺」に傍点]されるものと思うべし。
                     浅川監督
                     雑夫長
[#ここで字下げ終わり]

字下げした上に、罫囲みしてあるケースでは、[#ここから○字下げ、●字詰め、罫囲み]の○を、文字を基準として数えるのか、罫を基準として数えるのかの二つの考え方が成り立ちます。(上の例では、罫を基準とすれば「4字下げ」、文字を基準とすれば「6字下げ」となります。)
青空文庫の入力では、文字から数えてください。

罫が天から何字分下がっているかは、記入する必要はありません。

罫囲みが下方向いっぱいにのびて、意図的な地との空きが感じられないケースでは、「●字詰め、」は略してもかまいません。

天地に空きを持たせたり、罫で囲んであったりといった箇所では、組み版の情報を、テキスト版中に完全に書き残そうとすることは困難です。
xhtml版において、組み体裁として再現できる範囲にも限りがあります。

とはいえ、これらに対する注記の考え方を示さなければ、作業実績に大きなばらつきが生じると思われることから、概略の方針を示して、注記法の収束を図ることとします。

なお、ここで注記した字詰めと罫囲みに関する情報は、xhtmlの表示には反映されません。



追加検討要素7 文字の大きさに関する注記

著者の表現上の意図にもとづいて変化がつけてあると思われる場合は、文字の大きさを注記してください。(小見出しが、大きめにしてあるなど、著者の意図によらないと思われる場合は、注記する必要はありません。)

大きさは、絶対的な基準にはよらず、本文の標準サイズとの相対的な差異によって、次のように表します。

 [#「…」は○段階大きな文字]
 [#「…」は○段階小さな文字]

○には、標準サイズとの大きさの異なりを、全角のアラビア数字で書き込んでください。

文字の大きさが何段階変えてあるかは、作品全体を見渡して判断してください。#マニュアルには、記載されていません。確定した作業方針とすることを提案します。
記入例:

   火星の女

   県立高女の怪事[#「県立高女の怪事」は2段階大きな文字]
     ミス黒焦事件[#「ミス黒焦事件」は1段階小さな文字]
       噂は噂を生んで迷宮へ

     本日記事解禁[#「本日記事解禁」は罫囲み]

 去る三月二十六日午前二時ごろ、市内大通六丁目、県立高等女学校内、運動場の一隅に在る物置の廃屋《あばらや》より発火し、…



●著者の意図に基づいて、文字の大きさに変化がつけてあると思われる例。夢野久作「少女地獄」角川文庫、角川書店、1976(昭和51)年11月30日、120ページ

ブロックで文字の大きさが変えてある場合は、[#ここから○段階大きな文字][#ここで○段階大きな文字終わり]のように書いてもかまいません。

文字の大きさを注記してある箇所は、xhtml版では、 ○の個数分、<big>…</big>、<small>…</small>のネストを重ねる形で表します。


注記追加案関連資料1